生活

ヴィーガンの矛盾

ヴィーガンライフを取り入れると,様々な矛盾と付き合っていかなければならない。

これは他のヴィーガンの人と話したことはないが,大なり小なり抱えている問題だと思う。

この矛盾は人によって本当に違った角度で起こっているものだと思う。

例えば,ヴィーガンを動物愛護の観点から支持している人に,「植物と動物の種差をつけていいのか?」と聞いてみたり,健康の観点から支持している人に「栄養失調になりやすい」というエビデンスを突きつけてみたり。

もちろんこう言った指摘に対しては,その倍以上の思いや,考えや,エヴィデンスで反論することが出来る。

ただ,事実として心のモヤみたいに漂うことはどうしても出てくる。

今回は私の抱えるヴィーガンであることでの問題とその向き合い方について紹介する。

◾️私がヴィーガンな理由

まず私が何故ヴィーガンなのかを説明する。

もちろん,健康や動物愛護の観点もあるが,1番は環境負荷である。

動物性タンパク質を大量に摂取する今の一般的なライフスタイルは,環境に甚大な影響を与えている。そしてその環境負荷に地球が耐えられなくなっている。これは世界のどの研究機関も認めている事実だ。

それなのに我々は自己の欲望の為に,自分達の都合のいい,ある種の動物のみを大量に増やし,水と土地を汚染し,温室効果ガスを大量に発生させている。

この行為は100年後の子供たちの食事皿にのる食材を,減らしていることと同等なのである事は,知っている人は知っていて理解している。

それを理解していながら継続して動物性タンパク質を摂り続けることはサイコとしか思えない。

もちろん環境破壊は食品だけでなく,この社会全体の仕組みから起因している。

それを加味して車や電車に乗らず,プラスチック製品も使わず生きていくことは,現代のソサエティから完全に離脱しない限り無理である。

なので,せめて,食事だけは,社会活動の制限が少ない活動できる事,と考えて実践している。

◾️問題1:楽しみが減る

ただ,いくら環境のためとはいえ,いくら個人でできる小さな活動とはいえ,QOL(クオリティオブライフ)は下がる。

何故なら,焼肉や寿司,生クリームたっぷりのスイーツとは永遠に別れを告げなければならないからだ。

世の中の美味しいと言われているもののほとんどは動物性タンパク質からできている。

それを全てNGにする事は食欲と言う欲望の9割を削ると言っても過言ではない。

それは街中を眺めてみれば,すぐに気づくはずである,繁華街を構成するお店の殆どは飲食店であり,その殆どは肉や魚をメインに売っている。

私がブログでヴィーガン対応のメニューがあるお店を紹介するくらい,ほぼ全てのメニューがヴィーガン非対応のメニューである。

つまり,繁華街のほとんどのお店が関係がなくなるほど,楽しみが減っているのである。

私は東京という街が大好きで住んでいるが,かなり住んでいるメリットがなくなったとヴィーガンになって感じるほどだ。

◾️問題2:家族への影響

環境のための活動としてのヴィーガンとはいえ,これを家族にまで強制することはできない。さらに30年以上肉,魚を食べておいて,子供たちにはそれをNGとするのは,何か違和感が大きい。

後進国が二酸化炭素排出に関して先進国に文句を言っている現状と同じ構図かもしれない。

なので私の家では私だけがヴィーガンで他の家族は普通の生活をしている。

週末の食卓には肉や魚が並び,スイーツは生クリームたっぷりのロールケーキも出てくる。

それを,私だけが食べないという状況だ。

人の最小コミュニティは家族である。そしてそのコミュニティにおいて食を共にするということはとても大事な行為である。

それを私だけが共有しないという,とても歪な状況が継続している。

「同じ釜の飯を食う」ということわざがあるくらい。この同じものを食べるという行為は重要であるとヴィーガンになって改めて気付かされた。

◾️問題3:健康への疑念

ヴィーガンに関しては様々な意見があり,エヴィデンスがある。

私は専門家ではないので,ここではっきりとした意見をいうことは出来ない。

ただ,人は元々雑食ではなく果食動物という考えにはすごく共感している。

ようはチンパンジーやゴリラは牛や鳥や牛乳を摂取しなくても,大きく成長して健康でいられるだろという考えである。

だから,私もヴィーガンになれば健康体でいられると考える。

だが,それはあくまでもそういった環境があればの話である。

何の準備もしないでフラッと街に行くと,もうごはんにありつくことはできない。

上記で書いた通り,お店の殆どは肉魚をメインにしているからだ。

意識が高そうなスターバックスでさえ,ヴィーガンが食べられるものはバナナとトルティーヤチップスだけなのである。

なので,予備調査無しで街に行くと大抵バナナとナッツで乗り切ってしまう。

また,日々の食事も面倒だとどうしてもフルーツの量が増えてしまう。

現代の日本のフルーツは甘すぎるので,とりすぎると糖を摂取しすぎてしまう。

こうなるととても健康的な食事とは言いづらくなる。栄養バランスも良いようには感じられない。

こうして問題をピックアップするとハードライフなのが理解していただけると思う。

特に私が一番の問題と感じるのは家族との関係である。

なので,特別な場所,タイミングにおいては,なるべく同じものを食べるようにしてる。

やはり100年後の未来より,目の前の家族との関係を優先する。

それでも私1人分でも動物性タンパク質を取らない行動が,最終的に大きな成果に繋がると信じている。

自分のことをちっぽけな存在と考えてしまっては何も始まらないし,それは自分の可能性を狭めることになる。

子供たちにも私の生き方や姿勢を見て,学んでもらえたら嬉しい。

ABOUT ME
shimatori
愛知県の美術大学を卒業後、東京のデザイン事務所にてデザイナーとしてキャリアをスタート。 専業広告代理店に転職し、10年近く勤める。 その後、外資系メーカーに転職し今現在に至る。 東京在住。 2人の娘がいる。